夏の視察報告 保健医療編 ①自治医科大学 ②佐久総合病院
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- 9月9日
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①自治医科大学〜8月27日福祉保健委員会視察にて〜
栃木県下野市にある自治医科大学は「医療の谷間に灯をともす」ことを使命に、53年前に全国の都道府県が共同で設立しました。
医療に恵まれない地域の住民の保健・福祉の増進を図るため、入学者の選抜は、各都道府県から毎年2~3名ずつ選抜を行い、6年間の修学後は出身都道府県の公立病院等に9年間勤務することで、入学金や授業料は免除されています。義務年限の9年間を終了した後も、出身都道府県で勤務している方は68%となっており、地域医療の要の役割を担っています。埼玉県でも秩父市立病院等に派遣されており、医師確保を課題とする本県にとって自治医科大学の存在は大きいものとなっています。
医療の入口となる総合医へのニーズは近年高まってきており、私も6月の一般質問で取り上げたばかりです。なかなか埼玉県では総合診療医を専攻する若手が増えない理由を伺ったところ、「人を診る」と言われる総合診療医の醍醐味が感じられるようになってくるのは、医師として円熟し患者への理解もすすんでからかもしれないというようなお答えをしてくださいました。リカレント教育への必要性も感じられ、貴重な視察となりました。
②佐久総合病院〜9月4日会派視察にて〜
長野県佐久市にある佐久総合病院は1944年開院し、「農民とともに」をモットーに、農協が運営する病院として80年地域医療に取り組んでいます。今回は総合診療科と地域ケア科の取組みを中心にお話を伺いました。
総合診療は地域特性が大きく、カバーする地域や周囲の医療環境によって求められる医療が変わります。佐久総合病院での総合診療科の特色は、
・初診は全て総合診療科で対応してから専門科に振り分ける
・日中の救急は総合診療科で対応する
・ソーシャルワーカーを院内に多数配置し、ケアマネなど多職種が参加するカンファレンスを毎週行う
入院病床約300床のうち110~120床の患者さんを総合診療科が診ているほど大きな役割を担っています。そしてやはり総合診療の要は、医療・福祉・介護をつなげる多職種連携で、佐久総合病院でもスムーズな連携が図られています。
地域ケア科では、対象者を「介護を必要とする人とその介護者」とし、ケアラーに寄り添う姿勢がとても温かく、地域を丸ごと支えようとする気概を感じました。24時間体制の訪問診療、訪問看護、訪問リハビリ、居宅介護支援、宅老所と事業は展開されており、まさに地域住民の健康を司るセーフティーネットであることがよくわかりました。
埼玉県の安心な医療体制構築に向け、引き続き取り組んで参ります。
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