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米不足について

 米不足が世間でも騒がれるようになり、私も浦和区内でスーパーの状況などを見ていますが、訪れる時間が夕方や夜になっているせいもあるのか、本当にないと感じています。

 県に問い合わせたところ、原因としては、昨年の高温障害とインバウンドの増加、それに南海トラフ地震への警戒が買い増しをすすめたのではないか、とのことで、埼玉県産の新米が本格的に出回るのは9月中旬以降になる予定とのことです。

 また、国では100万トン(毎年20万トンを5年間)の政府備蓄米がありますが、米の年度末である6月末時点で、民間在庫量は156万トン(年間の総需要702万トンのうちの22.2%)が市場にまだ存在し、新米の出回りまでに必要な在庫水準は確保されている(8月2日農水大臣会見)ので、備蓄米を出す状況にはないと考えているようです。しかし、現実的にはこの22.2%は供給先が決まっているので、実際は、新米が流通するまで待つ他ないのです。

 外食産業などでは年間契約を事前にしているので、現実的に入手しにくくなっているのは一般消費者です。昨日もあるお米屋さんでお話を伺っているところに赤ちゃん連れの若いお母さんが「離乳食用に柔らかいお米を」と買っていきました。5㎏で3000円~4000円代のお米しか在庫はなく、お米屋さん曰く、「普段からお付き合いのあるお客さん用ではあるが、お困りの方にはお分けしています」とのことでした。また、米の流通は、JAや他の民間業者、生産者から直接販売など流通が複雑で多岐に渡り、全ての実態を捉えるのは難しいとの見解でした。

 9月から学校が再開すれば、家庭でお弁当を作る方々の需要も高まることが予想されます。米の備蓄は、国の責任において行っており、都道府県独自での備蓄は行っていません。しかし、弱い立場の人ほど影響を受ける可能性が高い今回の状況をみても、食料安全保障は国だけに任せず県でも考えていくべきなのではないかと感じています。米不足により主食である米離れが進むことは農業の根幹を揺るがすことにもなり、安全保障上も得策とは思えません。国の備蓄制度についても、どのタイミングで出すのかなど再考すべきと考えています。引き続き他県の対応なども調査して参ります。

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