本日埼玉県議会では、社会を変えてしまうだろう重要な条例が可決されました。自民党さんから出された議員提出議案「埼玉県虐待禁止条例の一部を改正する条例」です。
小学3年生までの児童を養護する者は、自宅も含めて子どもを放置することを禁止、4年生から6年生は努力義務とする内容で、放置されている子どもは虐待を受けている状態であり、県民は虐待を受けている児童を発見したら通告または通報しなければならないとしています。
条例案が議会に提出されてから、各メディアやSNSでも大きな反響がありました。昨今、車中に放置され尊い命が失われるケースも多々あることから、子どもたちをあらゆるシーンで守ることは重要です。
しかし、民主フォーラムとしては、今条例については様々なケースを想定すべきで、学校関係、市町村、何より当事者、そして県民の方々の意見を時間をかけて聞くべきとして継続審査を提案しました。残念ながら否決となり、条例は本日の福祉保健医療委員会で可決に至りました。
子どもたちだけの登下校や公園で子どもたちだけで遊ぶことも、中高生の兄弟とお留守番をしていても、これからは放置になってしまいます。海外のように、子どもの預け先などの環境整備が整っていないことや、雇用の場でもパートをしている女性の働き方を狭める可能性があることなども主張しましたが、結果を変えることはできませんでした。
私自身、子育てはもっと社会全体で担っていくべきで、家庭の負担を減らしていくべきだと考えているところに、小学3年生まで「放置が禁止されない場所は存在しない」と明言された社会で子育てをしていくことの経済的負担、心理的負担の増大は益々子育て家庭への重しとなっていくだろうと考えています。少子化を止めるには最後の局面であるといわれている現在、数の力で物事が決まっていく議会を目のあたりにし、もっとできることはなかったのかと責任を感じた瞬間でした。これが民主主義の現実です。
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